状疱疹は、水痘ウイルスが原因で発症する病気です。子供の頃に水痘にかかったことがある方は、このウイルスが体内に潜伏しており、大人になってから免疫力が低下することで再活性化した場合、帯状疱疹として現れます。
この記事では、帯状疱疹の基本的な情報、原因、そして段階別の症状について分かりやすく解説します。
■帯状疱疹とは
帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスが原因で発症する皮膚の病気です。
免疫機能が低下すると、ウイルスが再活性化し、体の片側に沿って痛みを伴う赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れます。一般的には過労やストレス、その他の病気が原因で免疫が低下することが発症のきっかけとなります。
80歳までに約3人に1人が経験すると言われていて、他の人から直接感染することはありません。
■帯状疱疹の原因
原因は、水ぼうそうを引き起こすウイルスと同じです。子供の頃に水ぼうそうにかかった後も、このウイルスは体内に残り背骨の近くに潜んでいます。
そして、年を取ったり、疲れたり、ストレスを感じたりすると、体の免疫機能が弱まり、このウイルスが再び活性化して帯状疱疹を引き起こすのです。
◎潜伏期間
水ぼうそうは子供の頃になることが多い病気で、かゆみを伴う発疹や発熱が主な症状です。
普通は1週間程度で治まりますが、ウイルス自体は体内に残り続けます。そして、何年も後に免疫機能が低下したとき、再び目を覚まし、帯状疱疹という形で現れることがあります。
初期症状は、皮膚に症状が現れる数日前から痛みが生じることがほとんどです。これは、ウイルスが神経を通って皮膚に向かって進むためです。
一般的には、ウイルスに初めて感染してから症状が現れるまでの期間を「潜伏期間」と呼びます。水ぼうそうの場合、この期間は通常約2週間ほどですが、水ぼうそうが治った後も何年も体内に潜んでいるウイルスが再活性化するため、発症までの期間は一定ではありません。
◎感染
日本人の成人の9割が、このウイルスに対する抗体を持っています。
水ぼうそうのウイルスは自分の体内に潜伏しているものなので、帯状疱疹は他人に直接うつるわけではありません。
直接人にうつることはありませんが、ウイルスを伝播することで水ぼうそうを発症させる可能性があります。乳幼児や水ぼうそうの免疫を持たない人、免疫の下がりやすい妊婦などに接触する場合は気をつけましょう。
■帯状疱疹の症状
体のどこにでも現れますが、特に上半身(胸や背中、腹部)に多く見られます。
顔に現れる場合は、眼部帯状疱疹として目の周りに発疹が出ることもあり、これには注意が必要です。
また、首や腕、背中などにも発症することがあります。
◎初期症状
最初は片側の神経に沿って、痛みや不快感が現れ、肌がピリピリと感じたり、ジンジンするような痛みが生じることがあります。また、かゆみや軽度の発熱、リンパ節の腫れが見られることもあります。
◎発疹と水疱
次に、痛みを感じる場所に小さな盛り上がりや小さなぶつぶつができ、水ぶくれに変わっていきます。水ぶくれは次第に数が増え、膿がたまることもあります。
◎回復過程
水ぶくれは1週間ほどで破れてかさぶたになり、皮膚の症状は2~3週間ほどで落ち着きます。ただし、色素沈着や傷跡が残る場合もあります。また、皮膚症状が治癒した後も、痛みが残ることがあり、これは「帯状疱疹後神経痛」という後遺症です。
■まとめ
帯状疱疹は、他の人からは感染しません。
一度水痘に感染した人が再びウイルスに反応することで発症する病気です。免疫力の低下により神経節に潜んでいたウイルスが活性化し、痛みやかゆみ、そして水疱が現れることが特徴です。
早期発見と治療が重要で、治療が遅れると神経痛などの後遺症が長引く可能性があります。適切な医療機関での診断と治療を受けることで、合併症を防ぎ、症状の悪化を防ぐことが可能です。