大腸検査を受ける方にとって、検査前後の食事は重要なポイントです。適切な食事を心がけないと、検査時に腸内に便が残ってしまったり、検査後の回復に影響を及ぼしたりすることがあります。このため、検査の前からメニューを考えて食事を摂ることが大切です。
この記事では、大腸検査の前後における食事のポイントや、食べて良いもの・控えるべきものについて詳しく解説します。検査を受ける予定の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
■大腸検査前の食事
きちんと検査結果を得るためには、事前の準備が重要です。大腸がきれいになっていないと、検査に時間がかかるだけでなく、正確な診断が難しくなったり、最悪の場合、検査が受けられないこともあります。
◎検査前に食べていい物
主食 |
おかゆ、柔らかいごはん、雑炊、よく煮込んだうどんやそうめん など |
肉・魚 |
鶏肉、赤身が多いひき肉、白身魚(カレイ、タラ、タイ、アジなど)、はんぺん など |
野菜・フルーツ |
ジャガイモ、里芋、大和イモ、皮を剥いたさつまいも、ほうれん草、小松菜の葉っぱ部分、皮を剥いたトマト など |
その他 |
うずらの卵、半熟卵、茶わん蒸し、豆腐、油抜きした厚揚げ、牛乳、ヨーグルト など |
胃腸に優しいものを中心にし、消化の良いものを摂るように心がけてください。食物繊維、種、脂肪分、油分を含むものは控えるようにしましょう。
検査前日は、夕食を19時までに済ませることも重要です。
◎検査前に控えた方がいい物
主食 |
玄米、もち米、そば、ラーメン、焼きそば、スパゲティ など |
肉・魚 |
霜降り肉、ブロック肉、ブリ、塩サケ、干物 など |
野菜・フルーツ |
ごぼう、れんこん、キノコ類、パイナップル、梨、干し柿 など |
その他 |
固めのゆで卵、大豆、煮豆、海藻類、スナック菓子 など |
検査数日前より食物繊維が多いものや、種が入ったもの、脂肪分や油分が多いものは避けましょう。これらを摂ると、腸内に便が残りやすくなってしまいます。
■大腸検査後の食事
検査後は胃腸に優しい食事を心がけましょう。ポリープの切除や組織検査をしていない場合でも、腸には多少の負担がかかっているため、消化の良い食べ物を選ぶことをおすすめします。
◎検査後に食べていい物
前日の食事制限で、お腹が空いているかもしれませんが、検査後の最初の食事は消化の良いものを選び、腹八分目にとどめることが大切です。急にたくさん食べるとお腹に負担をかけ、腹痛や便秘、下痢、お腹の張りなどの不調を引き起こす可能性があります。
◎検査後に控えた方がいい物
特に厳しい食事制限はありません。ただし、検査後、大腸が空っぽの状態になるため、急にアルコールを摂取したり、消化に悪いもの、過度に辛いものや油分の多い食べ物を摂ることは控えるほうが無難です。
◎ポリープを切除した場合の食事と生活
食事について
- 検査当日は、白粥や素うどん、豆腐、ゼリー、プリン、ヨーグルトなど、消化しやすいものを食べるようにしましょう。
- 検査翌日は腹痛や出血等の症状がなければ、消化の良いものを徐々に摂取し始め、1週間程度かけて少しずつ普通の食事に戻していくことが望ましいです。
- 唐辛子などの香辛料や刺激の強い食べ物は、スパイス類は、腸壁を刺激して痛みや炎症を引き起こすことがありますので、検査後1週間程度は控えるようにしましょう。脂っこい食べ物は消化に時間がかかり、腸内に負担をかけるため、ポリープ切除部位の回復が遅れる可能性がありますので注意しましょう。
- 炭酸飲料、アルコール、喫煙も検査後1週間程度は控えましょう。
仕事・趣味について
- 検査後1~2週間は、重労働や激しい運動等は控え、お腹に負担がかからない生活を心がけましょう。
- 遠方への出張、旅行等は控えましょう。
入浴について
- 検査当日はシャワーのみとし入浴は控えましょう。
- 翌日は入浴可能ですが、ぬるめのお湯にして短時間で済ませましょう。
■まとめ
大腸検査の前後には、食事に気を使うことが重要です。大腸検査中に入った空気により検査後は張った感じが残りますが、お腹の調子を見ながら、徐々に元通りの食事に戻していけば大丈夫です。
ただし、ポリープ切除などの手術を行った場合は、先に述べたような食事と生活の注意点があります。また病状により医師の指示に従い、食事内容に気をつける必要があります。