帯状疱疹は、左右どちらか一方に痛みを伴う発疹が出る病気です。
水ぼうそうになったことがある方に発症するため、誰にでも起こりえます。帯状疱疹は人にうつることがあるのでしょうか?
今回は帯状疱疹が他の人にうつるのか、また治療法や予防接種(ワクチン)について詳しく解説します。帯状疱疹の治療や予防に興味がある方は参考にしてください。
帯状疱疹についての基本的な内容はこちら。
目次
■帯状疱疹の治療方法
体の片側に原因不明の痛みが出て、その後に発疹が出た場合、帯状疱疹の可能性があります。その場合は我慢せず、できるだけ早く医師に相談するようにしましょう。早期に適切な治療を受けることで、帯状疱疹の症状を改善し後遺症を防げます。
◎痛みと発疹に対する治療
主な治療法は抗ウイルス薬や鎮痛薬の内服です。また、症状によっては塗り薬も処方されることがあります。
-
抗ウイルス薬
ウイルスの増殖を抑える働きをする薬です。症状が軽い場合や中程度の場合には、飲み薬が処方されますが、症状が重い場合や免疫機能が低下している場合には、点滴による抗ウイルス薬の治療が必要になることがあります。
-
鎮痛薬
帯状疱疹の痛みは発疹が現れる前に感じることが多いため、鎮痛剤で痛みを抑えることが重要です。夜も眠れないほどの強い痛みが続く場合には、ペインクリニックなどで神経ブロックという方法で痛みを管理することもあります。
-
塗り薬(外用薬)
皮膚の炎症や痛みを抑えるために、抗ウイルス薬の軟膏や鎮痛剤・局所麻酔薬、抗菌薬などを使用します。
◎帯状疱疹後の神経痛に対する治療
帯状疱疹後神経痛(PHN)は帯状疱疹の後遺症で、皮膚の発疹が治った後も続く神経性の痛みのことです。PHNに対しては、鎮痛作用のある薬や神経ブロック注射、レーザー治療などを行います。
■帯状疱疹はうつるのか?
帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスが再活性化することによって発症するため、周囲の人に直接うつることはありません。しかし、水ぼうそうになったことのない人には、帯状疱疹の発疹からウイルスが移ることがあり、その場合は水ぼうそうとして発症します。
特に、水ぼうそうに感染したことがない乳幼児や予防接種を受けていない子ども、免疫の下がりやすい妊婦に対しては、接触によってウイルスをうつしてしまう可能性があります。帯状疱疹の発疹が完全に乾燥するまでは、接触を控えることが重要です。
■帯状疱疹の予防接種を受けよう
ワクチンを接種することで、体は病気に対する免疫を獲得し、病気にかかりにくくなります。ただし、完全に防ぐことはできません。もし病気にかかったとしても、ワクチンを接種していた場合、重い症状を避けられることもあります。
帯状疱疹の予防接種は、主に2種類あります。一つは「生ワクチン」、もう一つは「不活化ワクチン」です。ワクチン接種を考える際には、対象者や接種回数、費用などを医師と相談して、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
◎生ワクチン
生ワクチンは、生きた細菌やウイルスを弱くしたものでできています。接種すると、実際にその病気にかかったときと同じように、体の免疫システムが働きます。これにより、強い免疫が得られます。
ただし、接種後に軽い発熱などの症状が出ることがあります。また、免疫力が低下している場合に接種すると、感染症を発症し重症化することがあります。
◎不活化ワクチン
細菌やウイルスを加熱や薬剤で処理して、毒性や感染力をなくしたもので作られています。あるいは、細菌やウイルスの一部を使って作られます。このワクチンは体内で増殖しないため、免疫力が低下している人にも比較的安全に投与できます。ただし、十分な免疫を得るためには、複数回の接種が必要です。
◎帯状疱疹予防ワクチン接種に対する費用の助成
一部の自治体では、予防接種費用の助成を行っています。お住まいの市町村窓口に問い合わせて確認してみましょう。
■まとめ
帯状疱疹は通常他の人にうつることはありません。一度水痘にかかった経験があっても、加齢などで免疫力が低下すると帯状疱疹のリスクが高まります。そのため、自治体の助成制度を活用し、予防接種を受けましょう。
また、適切な治療を早期に受けることで症状を軽減できます。おかしいなと思ったら放置せず、まずはご相談ください。