皮膚にかゆみや赤み、ブツブツができると、日常生活にも影響を及ぼすことがあります。症状の原因は様々で、適切な対処をしないと悪化することもあります。
今回は、代表的な皮膚疾患のうち、「アトピー性皮膚炎」「湿疹・かぶれ」「たこ・うおのめ」「ニキビ(尋常性ざ瘡)」「イボ・水イボ」「とびひ(伝染性膿痂疹)」について、それぞれの主な原因や症状を解説します。
目次
■代表的な皮膚の疾患①アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、「かゆみがある」「特定の部位に湿疹ができやすい」「症状を繰り返す」症状が特徴です。湿疹の状態も様々で、赤みがあったり、プツプツと盛り上がったり、ジュクジュクしたり、ゴワゴワと硬くなることもあります。
特に顔や耳、首、ひじやひざの内外側、わきの下、ももの付け根などにできやすい傾向があります。
原因は、一つではありません。生まれつきの体質に加えて、アレルギーを引き起こす物質や外部からの刺激が重なることで症状が現れます。
例えば、同じ化粧品を使っても問題ない人もいれば、肌が荒れてしまう人もいるのはそのためです。また、普段は大丈夫でも、体調やストレスの影響で症状が悪化することもあります。
■代表的な皮膚の疾患②湿疹・かぶれ
「湿疹」とは、皮膚が炎症を起こす病気の総称のことで、様々な原因によって発症します。その中でも、外部からの刺激がはっきりしているものを「かぶれ」と呼び、正式には「接触皮膚炎」といいます。
かぶれには2種類あり、一つは「刺激性接触皮膚炎」と呼ばれるもので、強い化学物質や洗剤などが直接皮膚に触れることで炎症が起こるものです。もう一つは「アレルギー性接触皮膚炎」で、特定の物質にアレルギーを持っている人だけに症状が出るタイプになります。
かぶれると、皮膚が赤くなったり、かゆみやブツブツ、水ぶくれができたりすることがあります。原因となる物質に触れた部分だけに症状が出るため、何に反応しているのかを知ることが大切です。
※明確な原因がない場合もあります。
■代表的な皮膚の疾患③たこ・うおのめ
「たこ」や「うおのめ」は、皮膚が圧迫や摩擦を受け続けることで、皮膚を守ろうとする防御反応としてできます。合わない靴を履くなどして特定の部分に負担がかかると、角質が厚く硬くなりやすくなります。
「たこ」は足の裏の出っ張った部分などにできやすく、「芯」がありません。押すと痛みを感じることはありますが、「うおのめ」ほど強くないのが特徴です。赤くなったり痛みが強くなったりした場合は、細菌感染を起こしている可能性があります。
「うおのめ」は、足の裏や指のふち、指の間などができやすい場所で、中心に「芯」と呼ばれる硬い部分があり、押されると強い痛みを感じるのが特徴です。
■代表的な皮膚の疾患④ニキビ(尋常性ざ瘡)
「ニキビ」は、毛穴の中に皮脂がたまることでできる皮膚の炎症です。毛穴が詰まり、そこに皮脂が過剰に分泌されると、アクネ菌と呼ばれる細菌が増殖し炎症を引き起こします。最初は小さな発疹ですが、悪化すると赤く腫れたり膿をもつこともあります。
アクネ菌はもともと肌に存在し、外部の菌の繁殖を抑える働きもありますが、増えすぎるとニキビの原因になるため注意しましょう。思春期には、ホルモンの影響で皮脂の分泌が増え、ニキビができやすくなります。月経前や便秘、ストレス、睡眠不足、不適切なスキンケア、肌の乾燥などは悪化させる要因になるため、日常生活の中でのケアが重要です。
■代表的な皮膚の疾患⑤イボ・水イボ
「イボ」とは、皮膚にできる小さなできもののことです。種類は様々で、大きさや形、症状によって異なります。健康な皮膚には感染しませんが、小さな傷があるとそこからウイルスが入り込み発生します。自然に治ることもありますが、感染を広げないように注意が必要です。
一方、「水イボ」とは、正式には「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」と呼ばれる病気で、赤ちゃんや子どもに多く見られます。水イボ自体は痛みやかゆみをほとんど感じません。
ただし、皮膚をひっかいたりしてつぶれると、かゆみが生じることがあります。丸くて光沢のある小さなできものが、わきの下や腕の内側、ひざや股の間など、肌が擦れやすい部分にできやすく、つぶれるとウイルスが周囲に広がることが特徴です。
■代表的な皮膚の疾患⑥とびひ(伝染性膿痂疹)
「とびひ」は、細菌が皮膚に感染して発症します。皮膚をかきすぎて皮膚が傷ついた部分に細菌が入り込み、そこから周囲や離れた場所へと次々に広がることが特徴です。
水ぶくれができるタイプと、厚いかさぶたができるタイプがあります。虫刺されやあせも、湿疹などをかいて傷ができた部分や、乾燥肌・アトピー性皮膚炎などでバリア機能が低下した皮膚が感染しやすい場所です。
原因となる細菌は、黄色ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌といった種類で、これらは健康な人の皮膚や鼻、のどにも存在する「常在菌」です。子どもに多く見られ、かゆみが強いため、引っかくことでさらに広がりやすくなります。
■まとめ
皮膚のかゆみや赤み、ブツブツは様々な原因によって発生します。中には繰り返し発症するものもあり、見た目では治ったように見えても、皮膚の内部では炎症が続いていることがあります。
症状が悪化すると治療が長引き、回復までに時間がかかることも少なくありません。適切な治療を受けるためには、自己判断せず症状に合った薬を正しく使うことが大切です。受診を迷っている場合、できるだけ早めに皮膚科を受診をするようにしましょう。
当院では、上記でご紹介した皮膚のお悩みにも適切な治療法をご提案しています。もちろんこのほかの皮膚のお悩みにも対応できますので、まずは1度ご相談ください。