大腸ポリープは、一度切除しても再発する可能性があります。ポリープができたことのある人は、まったくできたことのない人に比べて再発しやすいとされています。今回は再発率や再発を防ぐための方法について詳しく見ていきましょう。
■大腸ポリープの再発率は
メディケアを利用する患者に焦点を当て、高齢者(65歳以上)19,895 人における大腸ポリープの切除後の監視パターンと再発率を調査したものです。
1年以内の再発率 |
10.9% |
3年以内の再発率 |
38.2% |
5年以内の再発率 |
52.6% |
この研究では、10mm以上のポリープ、または3個以上のポリープがあった場合、若い方、男性の方が高い再発率になる傾向がありました。
研究は65歳以上が対象であり、国も違うため食生活や医療制度も違います。そのままの数値を日本人に適用するのは適切ではないかもしれません。しかし、大腸ポリープの再発率は高く、適切なフォローアップが必要という点は参考にできるでしょう。
■大腸ポリープ切除後に再発を防ぐ方法
再発を完全に防ぐことはできません。ただし、生活習慣に注意することで、再発リスクを軽減できます。
◎食生活を改善する
赤身肉や加工肉の過剰摂取は、大腸に炎症を引き起こす要因です。できるだけ控えめにしましょう。また、脂肪分の多い食品は腸内環境を悪化させる可能性があるため、控えるのがおすすめです。
バランスの取れた食事を心がけ、食物繊維を豊富に含む野菜や果物、豆類を積極的に摂るようにしましょう。
◎運動習慣をつける
運動不足は肥満の原因となり、腸の動きを鈍らせます。週に数回、ウォーキングやジョギング、ストレッチなどの軽い運動を取り入れてみましょう。腸の蠕動(ぜんどう)運動(体の中で食べ物を運ぶための消化管の働き)が活発になり、便通がスムーズになります。
長時間座りっぱなしの生活を送っている方は、意識的に体を動かすことが大切です。通勤時に少し歩く時間を増やしたり、階段を使うなど、日常の中でできる工夫を取り入れてみてください。
◎禁煙・節酒を心がける
タバコに含まれる有害物質は、腸内の細胞に悪影響を及ぼし、ポリープの発生や再発リスクを高めるとされています。また、過度なアルコール摂取も腸内環境を悪化させ、発がんリスクを上昇させるため、できる限り控えましょう。
◎定期的な内視鏡検査を受ける
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10個以上の腺腫性ポリープを切除した
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20mm以上のポリープを切除した
上記に該当する場合は、一年後に内視鏡検査を受けることがすすめられています。該当しなければ、多くの場合3〜5年後の再検査が目安です。大腸ポリープは初期症状がないため、定期的な検査を受けることが大切になります。
■大腸ポリープの再発リスクを軽減しましょう
大腸ポリープの再発予防には、健康的な食生活と運動が重要です。大腸ポリープは再発することがある疾患ですが、生活習慣の改善でリスクを下げることもできます。ただし、定期的な検診も、予防のためには欠かせません。毎年の便潜血検査と適時内視鏡検査を受けることが重要です。