内視鏡検査を初めて受ける場合、どのような検査なのか疑問や不安を抱くかもしれません。大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体を詳しく観察します。
検査の流れを知っておくと、心の準備ができ、安心して検査を受けられます。大腸内視鏡検査をこれから受ける方は、ぜひ参考にしてください。
■大腸内視鏡検査の流れ
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問診と説明
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検査前の準備
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検査当日の朝
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検査開始
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検査後
検査中は2名の看護師が付き添い、不安な気持ちを和らげるようサポートします。また、検査専用の時間枠を設けることで、患者さまのプライバシーを守り、快適に過ごせるよう工夫しています。
1.問診と説明
医師と看護師が体調について詳しくお話を聞きます。その後、検査の流れ、検査を受ける際に注意することを説明します。
たとえば、検査の数日前からどのような食事を摂るべきか、下剤をどのように飲むか、排便のチェック表の使い方などを説明します。
初めて受ける方でも安心して検査が受けられるよう資料がありますので、資料に従って過ごすことで、検査をスムーズに迎えられます。
2.検査前の準備
検査の数日前
こちらから指示した日時から、事前に説明された抗凝固剤や抗血小板薬の服用を中止してください。
検査前日の夜
消化の良い食事を19時までに済ませ、その後は絶食します。
アルコールは控えるようにしましょう。ただし、水やお茶などの無糖の飲み物は飲んでかまいません。
寝る前に、マグコロールPという薬を1包150mlの水で溶かし、30分以内に飲み切ってください。飲みにくい場合は、砂糖や蜂蜜を加えても大丈夫です。その後、コップ1杯の水で下剤(プルセニド)を2錠飲みます。
3.検査当日の朝
起床してから検査が終わるまで、食事を控えてください。ただし、水、お茶、スポーツドリンクなどの無糖の飲み物は飲んでも大丈夫です。
早朝に200mlの水を飲み、9時から腸管洗浄剤という薬を飲み始めます。これは、排泄物が透明になるまで続けてください。
1〜2リットル服用しますが、量は排便の状況によって変わります。腸管洗浄剤1リットルに対し、500mlのお茶を飲むと良いでしょう。高齢の方は、1杯を15分かけてゆっくり飲みます。
11時頃にクリニックから電話があり、体調や排便状況を確認します。心配なことがある場合、その時に確認してください。
4.検査開始
指定した時間までにクリニックに来院してください。専用の検査着に着替え、検査中に水分補給や薬剤の静脈内投与ができるよう点滴を行います。
カメラが挿入される際は左側を下にして横たわりますが、必要に応じて体位を変えることもあります。
検査中は、カメラが映し出す映像をリアルタイムで見ることが可能です。そのため、自分の目でポリープの有無を確かめられます。
もしポリープや病変が見つかった場合、組織を採取したり、ポリープを切除したりできます。この際、腸の粘膜層には痛みを感じる神経がないため、痛みは感じません。
検査時間は、平均的には15分〜30分ほどです。
5.検査後
検査が終わった後は、点滴終了まで処置室で2時間ほど休んでいただきます。
検査直後は、検査中に入った空気でお腹が張った感じが残りますが、時間とともに徐々にお腹の張りが和らぎます。ポリープを切除しなかった場合は、検査終了後から通常の日常生活を送っていただけます。
ポリープを切除した場合は、当日は控えめな食事とし、なるべく安静にお過ごしください。その後、1〜2週間は激しい運動や重労働、長期の旅行を避け、喫煙やアルコールも控えましょう。
検査結果の説明は、モニターを使ってわかりやすく説明します。検査後に痛みや出血があった場合は、すぐにクリニックに連絡してください。
■まとめ
健康診断を毎年受けている方も多いと思いますが、大腸内視鏡検査に関しては「恥ずかしい」と感じて受けない方が少なくありません。また、胃カメラに比べて大腸の検査はもっと大変そうだと尻込みしている方もいます。
しかし、実際に検査を受けてみると、横になって約15分ほどで終わることが多く、「思ったより痛くなかったし早かった」という声もよく聞きます。
病気が潜んでいるリスクを考えると、検査を受けることはとても大切です。まずは勇気をもって踏み出してください。