足の指がかゆい、皮がむけている…そんな症状が続いているけれど、病院に行くべきか迷っていませんか?水虫は自然に治ることは少なく、放置すれば爪にまで感染が広がることもあります。
この記事では、「水虫は何科を受診するべきか」「病院での検査や治療はどう行われるのか」など、水虫と診断されたときの適切な対処法についてわかりやすく解説します。
目次
■水虫かも?と思ったら病院に行くべき理由
「もしかして水虫かも…?」と思っても、市販薬で済ませようとする方は少なくありません。しかし、自己判断での対応は症状を悪化させる原因にもなり得ます。
◎自己判断での放置は悪化の原因に
水虫は白癬菌(はくせんきん)というカビの一種によって起こる感染症です。軽いかゆみや皮むけ程度でも、治療せずにいると菌が広がり、症状が悪化していくことがあります。
放置すると、白癬菌が爪にまで感染し「爪水虫(爪白癬)」になるかもしれません。内服薬が必要になる前に、早めの対応が肝心です。
◎実は水虫じゃない?似た症状の別疾患も
足のかゆみや水疱、皮むけなどの症状は水虫以外の皮膚病でも見られます。汗疱、接触性皮膚炎、カンジダ症などが代表的です。市販薬を使っても治らない場合は、水虫ではない可能性があります。自己判断に頼らず、早めの専門医の診察が安心です。
■病院は何科に行けばいい?
基本的には皮膚の病気なので「皮膚科」ですが、なぜ皮膚科が適切なのか、他の科ではなぜ十分な診療が難しいのかを説明します。
◎水虫の診察は「皮膚科」が専門
水虫は皮膚や爪に関係する感染症であり、診断・治療の専門は皮膚科です。皮膚科医は白癬菌の検査・判別に熟練しており、症状に合った治療法を選んでくれます。
◎なぜ内科ではなく皮膚科なのか
水虫に内服薬が使われることもあるため、「内科でもいいのでは?」と考える方もいます。しかし、初期の診断や顕微鏡検査、菌の特定などは皮膚科でなければ行えないケースもあります。
◎皮膚科で受けられる検査
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KOH直接鏡検法:皮膚片を顕微鏡で観察して菌の有無を確認
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培養検査:菌を培養し、正確な菌種を調べる
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遺伝子検査:菌のDNAから種類を特定する検査方法
■病院での水虫治療方法
水虫と診断されたら、症状の進行度や部位に応じた治療が始まります。ここでは皮膚科で行われる治療法の基本をわかりやすく解説します。
◎足の水虫は「外用薬(ぬり薬)」が基本
皮膚に限局した足の水虫(足白癬)であれば、抗真菌成分が入った外用薬による治療が第一選択となります。薬はクリーム、軟膏、液状、スプレーなどさまざまな形があり、症状や部位に合わせて処方されます。
治療は1日1回、入浴後など皮膚が清潔な状態で塗るのが効果的です。見た目に症状がなくなっても、白癬菌は角質層の奥に潜んでいるため、自己判断で中止せず、症状が治まってからも2〜3ヶ月は継続しましょう。
◎爪水虫には「内服薬(のみ薬)」が必要
爪まで感染が及んでいる場合は、外用薬では十分な効果が得られないことが多く、内服の抗真菌薬を使用します。飲み薬は血液を通じて爪の内側に有効成分が届くため、厚くなった爪の奥に潜む白癬菌にも効果を発揮します。
ただし、肝機能や他の薬との相互作用を確認する必要があります。そのため、定期的な血液検査が行われることもあります。
◎治療期間の目安と注意点
早ければ数週間でかゆみは治まりますが、完治までには数ヶ月の継続治療が必要です。爪水虫の場合は、新しい爪が伸びてくるまでに半年〜1年以上かかることもあります。
見た目が改善しても治療をやめると再発しやすくなるため、医師の指示があるまで治療を続けることが大切です。また、薬を使い始めてから体調の変化や副作用が出た場合は、すぐに医師に相談しましょう。
■水虫で病院に行くタイミング
「少しかゆいだけ」「そのうち治るかも」と様子を見ているうちに、水虫は進行してしまうことがあります。症状が軽いうちに適切に対処することが、完治への近道です。
◎2週間市販薬を使っても改善しない場合は要注意
市販の水虫薬で症状が軽くなることもありますが、2週間使っても改善が見られない場合は、皮膚科での診察を検討しましょう。水虫以外の皮膚疾患である可能性や、薬の種類が合っていないことも考えられます。
また、「一度治ったように見えても、すぐ再発する」といった場合も、治療が不十分だったり、爪水虫に進行しているサインかもしれません。
◎爪の濁り・厚み・崩れは爪水虫のサイン
足の爪に次のような症状がある場合は、水虫が爪に感染している可能性が高くなります。
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爪が白く濁ってきた
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爪が分厚くなってきた
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爪がボロボロ崩れる
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爪の形が変形している
こうした症状があれば、市販薬では治療が難しいため、必ず皮膚科を受診しましょう。
■水虫の疑いがあれば、まずは皮膚科へ
水虫は自然に治ることはほとんどなく、放置すれば広がったり、爪まで感染したりすることがあります。初期の段階であれば外用薬で十分に対応できますが、自己判断だけでは難しいケースも多く、皮膚科での早期診断・治療が何よりの近道です。
見た目の症状が治まっても、白癬菌が完全に消えていないこともあります。中途半端な治療では再発のリスクが高く、家族など周囲への感染にもつながる可能性があります。
気になる症状がある場合は、「まだ軽いから」と我慢せず、皮膚科を受診して確実な診断と治療を受けましょう。正しい知識と対処で、水虫はしっかり治せる病気です。