内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)は、胃がん・大腸がんなどを早期に見つける大切な検査です。とはいえ「痛いのでは?」「下剤がつらいのでは?」という不安から、受けるのをためらう方も少なくありません。
しかし、検査中の負担や安心感は“どこで受けるか”で大きく変わります。
今回は内視鏡検査を受ける際の医療機関の探し方をわかりやすく解説します。ご自身の体調や生活(当日の運転可否、授乳中など)に合う選択肢を持てる医療機関を、一緒に見つけていきましょう。
目次
■「痛くない」に近づく内視鏡検査の病院選び方:基本は3つ
内視鏡は「どこで・だれに・どういう体制で」受けるかで負担が変わります。まずは〈担当医の専門性〉〈痛み対策を含む設備と運用〉〈鎮静の選択肢〉に絞って確認すると、失敗しにくくなります。
◎だれが挿れる?内視鏡専門医の在籍と担当確認
挿入のうまさや観察の丁寧さは経験と訓練に左右されます。「内視鏡専門医や消化器病専門医が検査を担当するか」「その医師が実際に自分の検査を行うか」を事前に確認しましょう。件数は目安になりますが、説明の分かりやすさや質問への反応も大切な判断材料です。
◎鎮静は“選べる”?説明は“丁寧”?
予約前に「鎮静が使えるか」「自分で有無を選べるか」をまず確認しましょう。鎮静や鎮痛を使うと不安や吐き気・痛みを抑えられますが、当日の車の運転ができないなどの制限もあります。鎮静を使わない方針の施設でも、負担を減らす工夫は可能です。
※当院では鎮静剤は使用しておりません。
◎痛み対策の設備(CO₂送気・水浸法・洗浄体制)をチェック
空気の代わりに二酸化炭素(CO₂)を使うと吸収が比較的早く、検査後のおなかの張りが軽くなりりやすいです。大腸検査では水浸法など痛みを抑える手技を採用しているか、内視鏡の洗浄・消毒体制なども公表されていれば、安心材料になるかもしれません。
■胃カメラを受ける際の病院の選び方は経鼻内視鏡の有無
胃カメラは鼻から(経鼻)か口から(経口)かで変わります。画質や観察の自由度は機器にも左右されるため、希望を伝えたうえで施設の得意な方法を提案してもらいましょう。
◎咽頭反射が強い方は
「オエッ」となる咽頭反射(いんとうはんしゃ)が強い方には、細いスコープを鼻から通す経鼻内視鏡が合っていることがあります。鼻の構造によって向き不向きもあるため、検査前の問診でよく相談しましょう。
◎鎮静剤を使用する際の当日の注意事項
鎮静剤を使用する場合、当日の運転不可、重要な作業は控えるなどの指示に従いましょう。授乳中や持病のある方は、事前に代替案(弱めの鎮静・局所麻酔中心など)を相談します。
※当院では鎮静剤は使用しておりません。
■大腸カメラを受ける際の病院の選び方はスムーズに受けられるか
大腸は前処置の出来が検査の質を左右します。無理なくやり切れる環境づくりが、結果的に「痛くない・短時間・見逃しにくい」につながります。
◎下剤は味・量・錠剤など“自分に合う”を選べるか
下剤は種類や飲み方に幅があります。味や量がつらい人は錠剤や少量タイプ、院内で看護師のサポートを受けながら飲める施設や、家で下剤を飲んだあとは病院からの連絡があるなども、負担を減らす要素です。
◎その場での日帰りポリープ切除と午前枠の有無
見つけたポリープをその場で切除できると通院回数が減ります。午前枠がある施設は前処置〜検査〜休憩まで一日の流れを組みやすく、体調面でも楽なことが多いです。合併症時の連携病院が明確かも確認しましょう。
■口コミだけに振り回されない情報の集め方
体感には個人差があるため、口コミは“傾向を見る”程度にしてください。必ず公式の情報で裏取りし、気になる点は直接問い合わせて確認しましょう。
◎行政の「医療情報ネット」+公式サイトで事実を確認
診療科目や設備、対応時間などの基本は行政サイトと公式サイトで一致しているかをチェック。最新の予約状況や検査枠など、気になることは病院に電話で確認すると安心です。
◎口コミは“内容の傾向”と“公式情報での裏取り”が大切
口コミはあくまで主観的な体験の集まりです。「痛かった」「楽だった」などの感想は体質や受け方にもよるため、内容そのものより“全体の傾向”を見ることがポイントです。また、個別の体験だけで判断せず、クリニック公式サイトでの方針説明や設備情報と照らし合わせて判断しましょう。
■「麻酔なしでも痛くなかった」を実現する選び方
内視鏡の「痛い・つらい」は、病院選びと体制で負担を軽減することにつながります。当院は「麻酔や鎮静剤に頼りすぎない、痛みの少ない大腸内視鏡」を基本とし、腸を不要に伸ばさない“押すより引く”挿入操作を徹底しています。
また、検査中は担当の看護師が必ず一人つき、不安を和らげるよう声かけも行います。
「できるだけ楽に、でも精度は妥協しない」その両立のために、不安やご希望を遠慮なくお聞かせください。早期発見と納得感のある検査に導きます。