
健康診断で「血圧が高めですね」と指摘されたり、ご家族から心配されたりして、不安を感じていませんか?
前回の記事では、高血圧の原因や症状、そして自分の血圧を正しく知るための「測り方」についてお伝えしました。(高血圧の原因と症状は? 正常との違いや基準数値をチェックしよう)
放置してしまうのが一番怖い高血圧ですが、正しい知識を持って対策すれば、無理なく付き合っていくことができます。まずは何から始めるべきか、対策について一緒に見ていきましょう。
目次
■高血圧の改善は何から始める?治療の基本は2つ
高血圧の治療は、単に数値を下げることだけが目的ではありません。生活習慣の見直しと、必要に応じたお薬の服用という「2つの柱」で進めていくのが基本です。
◎高血圧でまず大切なのは、合併症を防ぐこと
一般的に、診察室での血圧が140/90mmHg以上、家庭での血圧が135/85mmHg以上が高血圧の目安です。
なぜ血圧を下げる必要があるかというと、高い血圧を放置して動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる「合併症」を引き起こすのを防ぐためです。
数値を下げること自体がゴールではなく、その先にある「血管の健康」を守ることが一番の目的となります。
◎高血圧の治療は「生活習慣の改善」と「薬」の組み合わせ
治療の基本となる1つ目の柱は「生活習慣の改善」です。軽度の高血圧であれば、これだけで数値が改善することも珍しくありません。
生活習慣の見直しだけでは十分な効果が出ない場合や、すでにリスクが高いと判断された場合に、2つ目の柱である「薬(降圧薬)」による治療が加わります。
なお、降圧薬を始めるかどうかは、血圧の高さだけではありません。年齢や合併症、心臓・腎臓・脳の病気の有無などを踏まえて総合的に判断します。
■高血圧対策でまず見直したい生活習慣
治療の土台となるのが、毎日の生活習慣の改善です。特別なことを始める必要はなく、日々のちょっとした意識の積み重ねが、血圧を自然に下げるための大きな対策になります。
◎高血圧の改善に役立つ運動は?
適度な運動は、血液の流れを良くして血管の広がりを助けるため、高血圧の改善にとても効果的です。激しい筋力トレーニングよりも、ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの「有酸素運動」を、できれば毎日30分以上続けることが推奨されています。
ペースの目安は「ややきつい」と感じる中等度の強度です。まずは無理のない範囲から体を動かす習慣をつけてみましょう。
◎体重管理・禁煙・節酒も高血圧対策の基本
体重が増えすぎている場合、少し減量するだけでも血圧が下がりやすくなります。運動と合わせて、適正な体重に近づける工夫をしてみましょう。
また、お酒の飲み過ぎは血圧を上げる大きな原因になります。休肝日を設けつつ、適量を守る節酒を心がけることが大切です。
タバコは血管を収縮させて血圧を上げるだけでなく、動脈硬化を急速に進めてしまいます。ご自身の血管を守るためにも、禁煙は非常に重要で効果的な対策です。
■高血圧の食事対策はまず減塩から
生活習慣の改善のなかでも、とくに重要なのが毎日の食事です。日本人は塩分をとりすぎる傾向があるため、血圧対策は塩分との付き合い方を見直すことから始まります。
◎高血圧の減塩目標は1日6g未満
高血圧の対策では、1日の食塩摂取量を6g未満にすることが推奨されています。また、塩分を体の外に排出してくれる働きを持つ野菜や果物を積極的に取り入れることも効果的です。
なお、腎臓病などで食事内容に制限がある方は、自己判断で増減せず、主治医や管理栄養士の指示に従ってください。
◎おいしく減塩を続けるヒント
「味が薄い食事はちょっと…」と不安に思うかもしれませんが、出汁の旨味やスパイス、酸味をうまく使うことで、おいしく減塩できる工夫はたくさんあります。まずは一食の塩分を少しずつ控えることから始めてみてください。
■高血圧の薬はいつから必要?よくある疑問
生活習慣の改善にしっかり取り組んでも血圧が目標の数値まで下がらない場合などは、血圧を下げる薬を使った治療が始まります。ここでは、よく聞かれるお薬の疑問にお答えします。
◎高血圧の薬は一度始めるとやめられない?
お薬が必要な期間には個人差があり、長く続ける方もいます。一方で、生活習慣の改善によって血圧が安定すれば、医師の判断で薬の量を減らしたり、中止を検討できたりする場合もあります。
お薬は血管を守るための「頼もしいサポート役」と考え、焦らずに向き合っていきましょう。
◎高血圧の薬を自己判断でやめてはいけない理由
お薬での治療中に一番危険なのが、「血圧が下がってきたから」「今日は体調がいいから」と、自分の判断でお薬を減らしたり飲むのをやめてしまうことです。
急にお薬をやめると、血圧が急激に跳ね上がってしまい、心臓や脳に大きな負担をかけるおそれがあります。
不安なことや気になる副作用がある場合は、決して自己判断せず、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談して、一緒に治療のステップを考えていくことが大切です。
■高血圧が気になるときは早めの受診を
高血圧は自覚症状がないからこそ、日々の小さな対策が将来の健康を守る鍵になります。
「健診で血圧の高さを指摘された」
「家で測ったら数値が高くて不安」
そんな時は、一人で抱え込まずにまずはご相談ください。いきなり厳しい制限やお薬を押し付けることはありません。生活スタイルに合わせて、無理なく続けられる改善策から一緒に考えていきましょう。
