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帯状疱疹の治療で早期受診が大切な理由、発疹から72時間以内の初期対応

帯状疱疹の治療で早期受診が大切な理由、発疹から72時間以内の初期対応

目次

発疹に気づいたら早めに受診を


帯状疱疹かもしれない赤いぶつぶつや水ぶくれが出たら、気づいてから72時間(3日)以内をめやすに医療機関へ相談することがすすめられています12。 痛みが先に出ていたときも、数えはじめは皮膚に症状が出たときです32。この記事では、早めの治療が大切な理由や72時間を過ぎたときの対応、すぐに受診したい症状、東郷町の当院へ相談するときの準備や予約のしかたをまとめます。


この記事の要点まとめ


  • 発疹や水ぶくれに気づいた時点から72時間以内を目安に、医療機関へ相談しましょう。
  • 72時間を過ぎても新しい発疹や強い痛みがあれば受診を検討し、目や耳の症状は当日中に相談しましょう。
  • 発疹に気づいた日時を記録し、お薬手帳や持病・服薬情報を診察時に伝えましょう。

帯状疱疹の治療で早期受診が重視される理由と72時間の数え方

帯状疱疹の治療で早期受診が重視される理由と72時間の数え方

帯状疱疹は、むかしかかった水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が、年齢を重ねることや疲れ、糖尿病などの持病で体を守る力が弱まったことをきっかけに、ふたたび動き出して起こります4。早めの受診がすすめられる理由と、治療を始めるめやすとなる時間の数え方をまとめます。


抗ウイルス薬はウイルスの増殖を抑える薬だから開始時期が問われる


帯状疱疹の治療に使われる抗ウイルス薬は、体内で増えたウイルスを直接消滅させるのではなく、ウイルスの増殖を抑える働きを持つ薬です1。そのため、ウイルスが盛んに増えて皮膚の水ぶくれや神経の炎症が広がる前に内服を始めることに意義があります。


抗ウイルス薬による治療の報告は、発疹が出てから72時間以内に開始した患者さまを対象としたものが中心です1。病気について事前の知識がある方ほど早く皮膚科などを受診する傾向があるという調査結果も報告されており2、初期の段階で気づいて早めに行動することが求められます。


72時間は脇腹の痛みが出た日ではなく発疹が出た時点から数える


治療開始の目安とされる72時間は、脇腹などの痛みが始まった日ではなく、皮膚に赤い発疹や水ぶくれ(皮疹)が現れた時点から数えます32。 帯状疱疹では、発疹が出る数日前から体の片側にピリピリ・チクチクとした痛みやしびれが先行することが少なくありません13。


痛みが数日間続いたあとに発疹に気づくと「もう手遅れではないか」と焦りやすいですが、起点はあくまで皮膚の症状が出てからです2。入浴時などに発疹を見つけた日時をメモしておき、診察時に医師へ伝えてください。


72時間を過ぎていても受診を見送らなくてよい理由


発疹から72時間を過ぎてしまった場合でも、受診を控える必要はありません。発疹が出てから72時間以内に抗ウイルス薬を飲み始めると、症状の重さや続く期間、痛みの強さをおさえやすいとされています1。72時間を過ぎていても、新しい水ぶくれが出続けているときや痛みが強いとき、ご高齢の方、体を守る力が弱まりやすい持病がある方では、抗ウイルス薬の投与が検討されます。


また、皮ふに細菌がつくのをふせぐぬり薬を出したり、痛みの強さに合わせて痛み止めを調整したり、ほかの病気が起きていないかを確かめたりするためにも、気づいたときに診察を受けるようにしてください。


立ち仕事や介護に響きやすい帯状疱疹後神経痛と早めの痛み対応


皮膚の発疹や水ぶくれがおさまったあとも、神経に傷が残って3か月以上痛みが続く状態を帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼びます。焼けるようにヒリヒリする痛みや、脈打つようにズキズキする痛みが多く、毎日の暮らしに差しさわりが出ることもあります5。50代以上の方や、発症初期の痛みが強い方、皮膚症状が重い方で生じやすいとされています13。


痛みが長引くと、立ち仕事やご家族の介護・付き添いといった日常生活の負担になりかねません。初期の段階から痛みを我慢せず、神経の痛みに合わせた薬の処方について医師へ相談しておくことが望まれます13。


ポイント

72時間の目安は「赤い発疹や水ぶくれが出た時点」から数えます。時間を過ぎていても新しい発疹がある場合や痛みが強い場合は対処が必要ですので、先延ばしせず受診してください132。


今日受診するか迷ったときの判断基準と、よくある思い込み


仕事やご家族の予定があると、数日待ってから受診しようか迷う場面があります。予定を調整してでも当日中に受診したい症状の基準と、受診を遅らせやすい思い込みについて解説します。


当日受診・救急受診を優先したい症状(目・耳・顔まわりなど)


発疹が出る場所や一緒に出る症状によっては、目の見え方や耳の聞こえ、神経への影響をふせぐために、すぐに手当てをすることが求められます。次のような症状があるときは、予定よりも当日中の受診を優先し、夜や休みの日であれば救急外来への相談を考えてください。


  • 目のまわりや鼻先の発疹、目の充血・かすみ:角膜炎や網膜の病変など、視覚に関わる眼部帯状疱疹の可能性があります13。
  • 耳の痛みや水ぶくれ、聞こえにくさ、めまい、顔面の動かしにくさ:顔面神経麻痺などを伴うラムゼイ・ハント症候群が疑われます13。
  • 強い頭痛や高熱、首の硬直、発疹が広範囲や体の両側に広がる場合:髄膜炎などの合併症や全身への広がりに注意が必要です13。

発疹がなく痛みやしびれだけの段階で相談する目安


まだ発疹が出ていない段階でも、体の左右どちらか片側だけに限られたピリピリ・ズキズキする痛みやしびれが数日続く場合は、帯状疱疹の前触れである可能性を伝えて医療機関へ相談して構いません13。


ただし、胸や背中、脇腹、おなかの痛みは、狭心症などの心臓の病気や胃腸・胆石などの消化器の病気、尿路結石でも起こります3。皮膚に変化がない時期は帯状疱疹かどうかの見分けがつきにくいため、自己判断で様子を見続けず、まずは内科などで全身状態を含めた診察を受けることが勧められます3。


「筋肉痛だと思った」「様子を見れば治る」は受診を遅らせやすい誤解


脇腹や背中の痛みを「重い荷物を持ったことによる筋肉痛や肋間神経痛だろう」と考えたり、「発疹は自然に消えるから受診しなくてよい」と思い込んだりすると、初期対応が遅れる原因になります32。皮膚の水ぶくれ自体は数週間でかさぶたになることが多いものの、処置が遅れると皮膚に痕が残ったり、帯状疱疹後神経痛へ移行したりする懸念があります13。


また、水ぶくれの中にはウイルスが含まれており、水ぼうそうにかかったことがない乳幼児や妊婦の方などに接触すると、水ぼうそうとして感染させる可能性があります1。ご自身の症状だけでなく、周囲への配慮という点からも早めの診断が大切です。


帯状疱疹は皮膚科・内科のどちらに相談すればよいか


帯状疱疹かもしれないときは、基本的には皮膚科または内科で相談できます。皮膚の発疹や水ぶくれの見分け、ぬり薬などの手当ては皮膚科が得意としています。熱や体のだるさがあるとき、高血圧や糖尿病などの持病でふだんから薬を飲んでいるときは、内科でも体全体の様子をみながら対応します。


整形外科の痛み(筋肉痛や腰痛)と迷っていた場合でも、皮膚に赤いブツブツや水ぶくれが確認できた時点からは、皮膚科や内科の受診を優先してください。


東郷わごうヶ丘クリニックで相談する前に準備したいこと


東郷町にある当院(内科・消化器内科・皮膚科・整形外科・外科)へご相談いただくときや、ほかの医療機関を受診する前に、用意しておきたいことと診察の流れをまとめます。


問診・皮膚の診察から処方までの一般的な流れ


診察ではまず問診を行い、痛みが始まった時期と発疹に気づいた日時、痛みの性質、発熱の有無、過去の水ぼうそうの罹患歴や持病を確認します13。続いて、服を少しめくって発疹の広がり方や水ぶくれの状態を医師が視診します13。


多くの場合は皮膚の見た目と経過から臨床的に診断されますが、単純ヘルペスなど他の皮膚疾患と区別が難しい場合には、水ぶくれの内容物を調べる迅速検査などが行われることもあります13。発疹に気づいたときのスマートフォン写真があると、変化の経過が伝わりやすくなります。


持病の薬・妊娠中や授乳中はお薬手帳で伝える


どの抗ウイルス薬を使うかは、持病のあるなしや、飲み薬と点滴のどちらが合うか、飲みやすさの希望などをふまえて決めます3。高血圧の薬(降圧薬)や糖尿病の薬、痛み止めなどを飲んでいる方、妊娠中や授乳中の方は、飲み合わせや体への影響を確かめる必要があります。一般的には、受診のときにお薬手帳と最近の健康診断の結果(血液検査の数値がわかるもの)を持っていくと、医師に伝わりやすくなります。


お薬の処方を受けるときは、立ち仕事や車の運転があることを医師に伝え、日中の生活に差しさわりが出にくい薬について相談してください。


保険診療で受ける場合の費用の内訳と受診時に確かめること


帯状疱疹の診察、必要に応じた検査、抗ウイルス薬や痛み止め・ぬり薬の処方は、公的医療保険が使える保険診療です。発症を防ぐための帯状疱疹ワクチンは、2025年4月から65歳の方などを対象に定期接種になっています6。対象にあたらない方は、ご自身の希望で受ける任意接種となります。


ワクチンを受けたあとに、注射したところの痛み・赤み・はれ、筋肉痛、だるさ、頭痛、発熱などが出ることがあります。頻度はわかっていませんが、まれにアナフィラキシーなどの重い副反応が起こることもあります7。


項目保険適用の有無主な内容・特徴
初診・診察および処方保険診療初診料・処方箋料がかかります。抗ウイルス薬や鎮痛薬・外用薬のお薬代は、院外処方の場合、調剤薬局で別にお支払いいただきます
皮膚の迅速検査(実施時)保険診療他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合に水ぶくれの成分を調べる検査です
帯状疱疹ワクチン(予防接種)定期接種(65歳の方など)または任意接種発症後ではなく、将来の発症・再発予防として検討される注射です。主なリスク・副作用:注射部位の痛み・赤み・腫れ、筋肉痛、疲労感、頭痛、発熱など(まれにアナフィラキシーなど)7

※実際にかかるお金は、えらぶお薬の種類(もとからあるお薬か、ジェネリックか)や、検査をするかどうか、医療機関によって変わります。一般的には、かかるお金は診察のあとに案内されます。当院はマイナ受付に対応していますので、マイナ保険証か資格確認書をお持ちください。


予約・電話での相談方法と、治療開始後に再受診したいタイミング


当院の外来診療は原則予約制とさせていただいております。来院前に、ネット予約(GMO)、電話等で事前に診療予約をお願いします。もちろん予約なしでも受診は可能ですが、スムースな運営のためにご協力をお願いいたします。なお、発熱を伴う方で発熱外来を希望される方は必ず事前にお電話をお願いします。来院時刻を調整致します。混み具合によりますが直接来院された場合は相当な待ち時間が発生することが予想されます。


令和8年10月より、当院の皮膚科外来は月曜日午前中のみとなります。それ以外の日に発疹に気づいたときは、内科でご相談いただけます。当院からのご案内や臨時休診情報は、当院公式LINEより随時配信しています。


抗ウイルス薬はふつう7日間使うため、決められた日数を最後まで飲み切ることが基本です8。服用を始めても発疹が急速に広がる場合、痛みが強くて眠れない場合、目や耳の異常が出た場合は、次回の予約日を待たずに医療機関へ連絡してください13。


また、症状が落ち着いたあとの再発予防として、帯状疱疹ワクチンについても医師へご相談いただけます。ワクチンは50歳以上の方が受けられ、公費の定期接種の対象は65歳の方などです7。


よくある質問


Q. 帯状疱疹は早く受診した方がいいですか?いつ受診すればいいですか?


A. 赤い発疹や水ぶくれに気づいたら、できるだけ早く受診してください。抗ウイルス薬は発疹が出てから72時間(3日)以内に開始することが望ましいとされていますが、72時間を過ぎていても新しい水ぶくれが出続けているときや痛みが強いとき、ご高齢の方、体を守る力が弱まりやすい持病がある方では治療が検討されることがあります13。様子を見ずに相談することが勧められます。


Q. 帯状疱疹は自然治癒するから受診しない方がいいですか?


A. 皮膚の水ぶくれは数週間でかさぶたになりますが、受診せずに放置すると皮膚の潰瘍や細菌感染を招いたり、皮膚が治ったあとも痛みが長く残る帯状疱疹後神経痛(PHN)につながったりする懸念があります13。また、目のまわりや耳の症状は視力や顔面神経に影響することがあるため、早期に受診して適切な処方を受けることが大切です13。


Q. 湿疹や虫刺され、アトピー性皮膚炎との違いがわからないときも受診してよいですか?


A. ご自身で見分けがつかない段階でも、受診してかまいません。帯状疱疹は「体の左右どちらか片側」に「ピリピリした痛みを伴う赤い発疹や小水疱」が帯状に並ぶのが特徴ですが13、初期には虫刺されやかぶれ、通常の湿疹と似ていることがあります。市販のステロイド軟膏などを自己判断で塗ると症状が変化して診断しにくくなることがあるため、何も塗らずに診察を受けてください。


参考文献


1. Lim DZJ, Tey HL, Salada BMA et al. Herpes Zoster and Post-Herpetic Neuralgia-Diagnosis, Treatment, and Vaccination Strategies. Pathogens (Basel, Switzerland). 2024. PMID: 39057822 / DOI: 10.3390/pathogens13070596

2. Miyachi M, Imafuku S. Relationship between prior knowledge about herpes zoster and the period from onset of the eruption to consultation in patients with herpes zoster. The Journal of dermatology. 2016. PMID: 26971723 / DOI: 10.1111/1346-8138.13334

3. Werner RN, Ghoreschi K. [Herpes zoster-prevention, diagnosis, and treatment]. Der Hautarzt; Zeitschrift fur Dermatologie, Venerologie, und verwandte Gebiete. 2022. PMID: 35477786 / DOI: 10.1007/s00105-022-04992-9

4. 知っておきたい帯状疱疹のこと | つくばみらい市公式ホームページ. https://www.city.tsukubamirai.lg.jp/jyumin/kenkou-iryou-hoken/kansen/page004204.html

5. 帯状疱疹について|春日井市公式ホームページ. https://www.city.kasugai.lg.jp/kenko/iryo/healthinfo_list/1029809/index.html

6. 兵庫県/帯状疱疹. https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf16/taijohoshin.html

7. 帯状疱疹ワクチン|厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/shingles/index.html

8. 帯状疱疹|大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学. https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/imed3/disease/d-immu12-2.html

9. 国立健康危機管理研究機構. 糖尿病の治療ってどんなものがあるの?. https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/010/01.html


三木 健司

医師


わごうヶ丘クリニック

院長

三木 健司

▶ 監修者プロフィール

経歴
1993年
愛知医科大学卒業
愛知医大第一内科
袋井市立袋井市民病院
聖霊病院 
内科・消化器内科
聖霊病院 医務局長
三九朗病院 内科・消化器内科
2016年
わごうヶ丘クリニック 院長
資格・所属学会
日本内科学会・認定医
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本人間ドック学会・認定医
日本医師会・認定健康スポーツ医
日本医師会・認定産業医
日本スポーツ協会・スポーツドクター
NPO法人日医ジョガーズ連盟(ランニングドクター)
点滴療法研究会