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40代の胃がん・大腸がん検診はいつから?受診頻度と検査の選び方

40代の胃がん・大腸がん検診はいつから?受診頻度と検査の選び方

40代は消化器がん検診を考え始める節目


仕事でも家庭でも背負うものが増える40代。胃がんや大腸がんは、ちょうどこの年代から罹患数が目立ち始める傾向が示されています。とはいえ「いつから」「どのくらいの間隔で」受けるとよいのか、迷う方も多いのではないでしょうか。この記事では受診開始の目安と検査ごとの違い、身体への負担を和らげる工夫までを整理してお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • 胃がん・大腸がんは40代から罹患傾向が上がり始め、無症状のうちの検査が意義を持つと考えられています
  • 胃部X線・胃内視鏡、便潜血・大腸内視鏡それぞれの特徴を知り、自分に合う検査を検討できます
  • ピロリ菌感染歴やポリープ切除歴など個人の背景に応じて、受診間隔や負担軽減の工夫を医師と相談できます

40代から胃がん・大腸がん検診を始めるべき理由と受診の目安

40代から胃がん・大腸がん検診を始めるべき理由と受診の目安

40代から増加する罹患リスクと無症状期の検査意義


胃がんも大腸がんも、40代を境に罹患率の曲線が上向き始める傾向が報告されています2。より若い世代での発見例も見られ、「まだ早いかな」と感じる年代こそ意識しておきたいところです。


押さえておきたいのは、早い段階の消化器がんでは自覚症状が乏しいことが多いという点。胃もたれや便通の変化を感じるころには、病変がある程度進んでいる場合もあります。だからこそ、症状のないうちに定期的な検査で粘膜の状態を確認しておく意義があると考えられています3


職域健診と自治体がん検診の違いと受け入れ態勢


40代の方が利用できる窓口は、大きく3つに分けられます。勤務先の職域健診、市区町村が実施する対策型がん検診、そして医療機関で受ける人間ドックや任意型検査です。


  • 職域健診:受診の機会は確保しやすい一方、胃部X線と便潜血のみなど項目が限られる場合がある
  • 自治体がん検診:胃がん検診は50歳から2年に1回、大腸がん検診は40歳から年1回を基本とする自治体が多く、費用助成を利用できることがある2
  • 人間ドック・任意型検査:自費が中心ながら、開始年齢や検査手法を自分で選びやすい

助成の内容や対象年齢は地域ごとに異なりますので、お住まいの窓口で事前にご確認いただくと計画を立てやすくなります。当院でも東郷町にお住まいの方から、助成制度の対象になるかというご相談を承っています。外来診療は原則予約制ですので、ネット予約かお電話で事前にご連絡いただけるとスムーズです。


胃がん・大腸がん検診の種類と自分に合った検査の選び方

胃がん・大腸がん検診の種類と自分に合った検査の選び方

胃部X線検査と胃内視鏡検査(胃カメラ)の特徴と判断基準


胃部X線検査(バリウム)は、造影剤で胃の形状や粘膜のひだを写し出す方法で、集団検診で長く用いられてきました。一方の胃内視鏡検査は、粘膜の色調や細かな凹凸を直接観察し、気になる部位があればその場で組織を採取して調べることもできます3


気になる所見があった場合には、内視鏡による確認が必要になることが多いという点も知っておきたいところ。受診回数や時間の使い方を踏まえ、はじめから胃カメラを選ぶという考え方も現実的でしょう。


便潜血検査と大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の役割分担


便潜血検査は、便に混じる目に見えない血液を調べる簡便な方法で、対策型検診の柱として位置づけられています2。自宅で採便でき、身体への負担が小さい点が特徴です。


大腸内視鏡検査は、腸内を直接観察してポリープや病変の有無を確かめる検査。見つかったポリープをその場で切除できる場合があるのは、内視鏡ならではの特徴といえます1。便潜血が陽性だったときの精密検査としても、標準的に行われています。


【よくある誤解】便潜血検査が陰性なら大腸カメラは不要か


「陰性だったから問題ない」と受け止める方は少なくありません。ただ、便潜血検査では出血を伴わない平坦な病変や小さなポリープを拾いきれないことがあります。陰性は「その時点で血液が検出されなかった」という結果を示すものです。


血縁者に大腸がんの方がいる、過去にポリープを指摘された、便通の変化が続いている——こうした条件が重なる場合は、陰性であっても一度内視鏡での確認を検討する価値があります。判断に迷うときは、既往歴や家族歴を含めて医師にご相談ください。


個人のリスクに応じた受診頻度と負担を抑える検査の受け方


ピロリ菌感染歴や胃炎の既往がある場合の推奨受診間隔


ピロリ菌感染は胃粘膜の萎縮に関わる要因として知られ、胃がんとの関連が広く指摘されています3。除菌を終えたあとも萎縮した粘膜がすぐ元の状態に戻るとは限らないため、除菌後も定期的な胃カメラでの経過確認が案内されるという考え方が一般的です。


間隔の目安は年1回程度から。萎縮の程度や前回の所見に応じて、医師と相談しながら決めていきます。感染歴がなく萎縮も見られない方では、もう少し長い間隔で検討される場合もあります。


大腸ポリープ切除歴や家族歴を踏まえた継続的な検査設計


大腸内視鏡の次回時期は、前回の所見によって変わってきます。ポリープを切除した方は、個数や大きさ、病理結果に応じておおむね1〜3年後を目安に再検査を案内されることが多く、所見のなかった方はより長い間隔で計画されます1


血縁者に大腸がんの方がいる場合は、一般的な開始年齢より早めの受診を検討する余地があります。「前回いつ、何が見つかったか」を記録しておくと、次の計画を立てるときに役立ちます。


鎮静剤の使用や事前準備の工夫で身体的負担を和らげる方法


検査への不安からつい先延ばしにしてしまう方には、鎮静剤を用いる方法があります。うとうとした状態で受けられるため、嘔吐反射が気になる方にとっても選択肢のひとつです。ただし当日の車の運転は控えていただく必要がありますので、通勤手段は事前にご確認ください。ふらつきや眠気が残る場合もあり、当院ではリカバリー室を備え、検査後にゆっくりお休みいただける態勢を整えています。


事前準備は、胃カメラなら前日夜からの絶食、大腸カメラなら消化の良い食事と当日の下剤服用が基本となります。なお当院では胃と大腸の内視鏡検査を同日には実施しておりませんので、それぞれ別日でのご予約をお願いしています。


よくある質問


Q1. 胃がん検診は40代でどのくらいの頻度で受けるとよいですか?


A. 対策型検診では50歳から2年に1回とする自治体が多く見られます。一方で、ピロリ菌感染歴や萎縮性胃炎を指摘されている方には、より短い間隔での胃カメラが案内されることもあります。既往歴を踏まえて医師とご相談ください。


Q2. 40代で大腸カメラは何年おきに受けるとよいですか?


A. 所見がなければ数年おき、ポリープ切除歴がある方は1〜3年後を目安に再検査を検討するのが一般的な考え方です。家族歴の有無によっても間隔は変わってきます。


Q3. 40代で大腸がんになる確率はどのくらいですか?


A. 罹患率は40代から上昇し始め、年代が上がるほど高くなる傾向が示されています。具体的な数値は公的な統計資料で公開されていますので、そちらをご参照ください。


Q4. 胃がんと大腸がんの検査は何歳から受けられますか?


A. 自治体の大腸がん検診は40歳から、胃がん検診は50歳からを基本とする地域が多く見られます。医療機関での検査に年齢による一律の制限は設けられておらず、症状やリスク要因があれば年齢にかかわらずご相談いただけます。


Q5. 検査費用はどのくらいかかりますか?


A. 症状があって保険診療となる場合と、症状のない検診として自費で受ける場合とで異なります。自治体の助成対象になるケースもありますので、ご予約時にお問い合わせください。


参考文献


1. 公益財団法人 日本医療機能評価機構「Minds ガイドラインライブラリ」 https://minds.jcqhc.or.jp/

2. 国立がん研究センター「がん情報サービス」 https://www.cancer.go.jp/

3. 日本消化器病学会 https://www.jsge.or.jp/


三木 健司

医師


わごうヶ丘クリニック

院長

三木 健司

▶ 監修者プロフィール

経歴
1993年
愛知医科大学卒業
愛知医大第一内科
袋井市立袋井市民病院
聖霊病院 
内科・消化器内科
聖霊病院 医務局長
三九朗病院 内科・消化器内科
2016年
わごうヶ丘クリニック 院長
資格・所属学会
日本内科学会・認定医
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本人間ドック学会・認定医
日本医師会・認定健康スポーツ医
日本医師会・認定産業医
日本スポーツ協会・スポーツドクター
NPO法人日医ジョガーズ連盟(ランニングドクター)
点滴療法研究会