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その血便、本当に痔だと自己判断していませんか?
トイレットペーパーに付いた血を見て「切れ痔かな」と思いたくなる気持ちはよく分かります。ただ、血便の原因は痔だけとは限りません。大腸がんやポリープが隠れている場合もあります。この記事では、痔と大腸疾患を見分けるポイント、そして40代のうちに大腸カメラを検討したい3つの基準について、東郷町のわごうヶ丘クリニックがお伝えします。
この記事の要点まとめ
- 血便の原因は痔だけでなく、色や出方によって大腸ポリープ・大腸がんの可能性も考えられる
- 便潜血陽性・持続する血便・排便習慣の変化がある40代は、大腸カメラの検討が推奨される
- 鎮静剤使用で負担を軽減でき、保険適用3割負担での費用目安も確認しておくと安心
目次
- 血便の原因は痔だけではない?「ただの痔」と「大腸がん・ポリープ」の違い
- 忙しい40代に大腸カメラを検討していただきたい「3つのサイン(基準)」
- 痔があっても受けられる?負担を抑えて仕事と両立する大腸カメラの受け方
血便の原因は痔だけではない?「ただの痔」と「大腸がん・ポリープ」の違い
血便といっても、色や出方によって考えられる原因は異なります。自己判断で放置せず、まずは出血の様子を落ち着いて観察することが第一歩です2。
トイレットペーパーに付く「鮮血便」と痔(いぼ痔・切れ痔)の関係
鮮やかな赤い血がペーパーに付いたり、排便時にポタポタと便器に落ちたりする場合、多くは肛門付近からの出血、つまりいぼ痔(痔核)や切れ痔(裂肛)が考えられます。肛門は出口に近いため、酸化していない新鮮な血がそのまま出てくるのが特徴です。ただし、鮮血だから必ず痔とは限らず、直腸の下の方にある病変からの出血でも似た色になることがあるため注意が必要です1。
便に混じる「暗赤色便」や「粘血便」が示す大腸がん・ポリープの可能性
一方、黒っぽい赤色(暗赤色便)が便全体に混じっていたり、ゼリー状の粘液と血が混ざった粘血便が見られたりする場合は、慎重な判断が求められます。これらは肛門より奥の大腸内で起きている出血を示す可能性があり、大腸ポリープや大腸がん、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患が疑われることもあります1。出血場所が肛門から遠いほど血液は変色しやすく、便と混ざった状態で排出されます。
【よくある誤解】市販の痔の薬で出血が一時的に落ち着いた場合の注意点
「市販の痔の薬を使ったら血が止まったから安心」と考える方は少なくありません。しかし、これは肛門周りの炎症や小さな傷が一時的に落ち着いただけで、大腸内のポリープやがんが解消されたことを意味するものではありません。痔と大腸疾患が同時にあるケースも珍しくなく、症状が軽くなっても大腸内の状態は外からは分かりません。当院では、こうした自己判断による見逃しを防ぐため、消化器内科の観点から総合的に評価することをおすすめしています。
忙しい40代に大腸カメラを検討していただきたい「3つのサイン(基準)」

40代は大腸ポリープや大腸がんの発症リスクが徐々に高まる年代とされています2。仕事が忙しくても、次の3つのサインに当てはまるなら早めの検査を検討しましょう。
基準1:健康診断の「便潜血検査」で陽性(要精密検査)が出た場合
職場の健康診断で行われる便潜血検査は、目に見えない微量の出血を捉える検査です。1回でも陽性が出たら、大腸内で何らかの出血が起きているサインと考え、大腸カメラでの精密検査が推奨されます1。「痔があるから陽性なのだろう」と自己判断で再検査を見送ってしまうと、大腸がんの早期発見の機会を逃しかねません。
基準2:数日〜数週間にわたって血便が繰り返される(持続する)場合
一時的な切れ痔なら、多くは数日以内に出血が落ち着きます。ところが、排便のたびに何度も出血が続く、あるいは1〜2週間以上血便が繰り返される場合は、大腸内で持続的な出血が起きている可能性を考える必要があります。大腸がんや炎症性腸疾患では、出血が慢性的に続くケースも報告されています。
基準3:便が細くなる・便秘と下痢を繰り返すなどの「排便習慣の変化」がある場合
血便に加えて、「最近便が鉛筆のように細くなった」「便秘と下痢を交互に繰り返す」「残便感が強い」といった排便習慣の変化があるときも、事前に確認しましょう。腸管内に腫瘍ができて通り道が狭くなっているサインの可能性があります2。体重減少や貧血を伴うようなら、さらに早めの受診をおすすめします。
痔があっても受けられる?負担を抑えて仕事と両立する大腸カメラの受け方
「大腸カメラは苦しい」という昔のイメージから受診をためらう方も多いですが、現在は負担を軽くする工夫が進んでいます。当院でも、多忙な方が受けやすい体制を整えています。
鎮静剤(麻酔)を使用した「負担の少ない内視鏡検査」とは
鎮静剤を使うことで、ウトウトと眠ったような状態のまま検査を受けられる方法があります。腸内にスコープを入れる際の張りや違和感を感じにくく、リラックスした状態で終えられる点が特徴です。当院ではリカバリー室を備えており、検査後に落ち着いてからお帰りいただけます。
「痔への影響」への配慮と丁寧な挿入への取り組み
すでに痔をお持ちの方でも、潤滑剤を十分に使い、経験のある医師が丁寧にスコープを挿入することで、痔への負担に配慮した検査が可能です。ただし当院では痔そのものの治療は行っておりませんので、痔の処置が必要と判断された場合は専門の医療機関をご紹介します。
前日から当日までの検査の流れと仕事への影響を抑えるコツ
検査前日は消化の良い食事を心がけ、当日の朝から腸管洗浄剤(下剤)を服用して腸内をきれいにします。検査自体は15〜30分程度で終わりますが、鎮静剤を使う場合は前後の休憩を含めて半日ほどみておくと安心です。平日に休みが取りにくい方は、検査日と業務予定を早めに調整しておくことがポイントです。
気になる費用負担の目安:3割負担での検査・ポリープ切除の費用
保険適用(3割負担)の場合、大腸カメラ検査のみの費用はおおむね6,000〜1万円前後、検査中にポリープを発見してその場で切除した場合は2万〜3万円程度が目安です2。金額は病変の数や処置内容によって変わりますので、詳しくは受診時にお尋ねください。なお、当院では大腸内視鏡検査と胃内視鏡検査の同日実施は行っておりません。
参考文献
1. Minds ガイドラインライブラリ(公益財団法人 日本医療機能評価機構)https://minds.jcqhc.or.jp/
2. 健康づくりサポートネット(厚生労働省)https://kennet.mhlw.go.jp/information/
よくある質問
Q1. 痔か血便(大腸疾患)か分からないときはどうしたらいいですか?
A. 自己判断は難しいため、消化器内科の受診をおすすめします。鮮血か暗赤色か、便に混じるか付着するかといった特徴を医師に伝えていただくと、必要な検査を判断しやすくなります。
Q2. 大腸内視鏡検査でいぼ痔はわかりますか?
A. 大腸カメラは主に大腸内を観察する検査ですが、肛門付近の状態もある程度は確認できます。ただし痔の詳しい診断や治療は、肛門を専門とする医療機関で行う必要があります。
Q3. 血便が出たら必ず大腸カメラ検査をしますか?
A. 出血の状況や年齢、伴う症状によって判断します。40代以降で持続的な血便がある方や便潜血陽性の方には、大腸カメラでの確認をおすすめすることが多いです。
Q4. 市販の痔の薬で血が止まれば受診しなくてよいですか?
A. 一時的に出血が止まっても、大腸内の病変が隠れている可能性は否定できません。特に40代以降の方は、一度精密検査を受けて安心につなげることをおすすめします。
Q5. 検査当日は仕事に戻れますか?
A. 鎮静剤を使用した場合、当日の車の運転や重要な業務は控えていただく必要があります。検査日は半日〜1日の余裕を確保しておくと安心です。
愛知医科大学卒業
愛知医大第一内科
袋井市立袋井市民病院
聖霊病院
内科・消化器内科
聖霊病院 医務局長
三九朗病院 内科・消化器内科
2016年
わごうヶ丘クリニック 院長
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本人間ドック学会・認定医
日本医師会・認定健康スポーツ医
日本医師会・認定産業医
日本スポーツ協会・スポーツドクター
NPO法人日医ジョガーズ連盟(ランニングドクター)
点滴療法研究会
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