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まず症状と服薬の記録を持って相談することから始めます
ダイエットをしていないのに体重が減り、食欲がない、胃がもたれるといった状態が続くときは、数字の目安になるのを待たずに内科や胃腸内科へご相談ください。
この記事では、早めに受診したほうがよい目安や、急いで相談したい症状、受診の前にまとめておきたい体重やお薬の記録についてお伝えします。はじめての診察で、内視鏡やエコー(超音波)の検査が要るかどうかをどう決めるかも紹介しますので、まずは相談するきっかけにお役立てください。
この記事の要点まとめ
- ダイエットをしていないのに体重が減る、食べたい気持ちがわかないといった状態が続くときは、数字の目安になるまで待たずに早めにみてもらうことを考える。
- 体重・食事・便の変わり方と飲んでいる薬をメモし、薬は自分で止めずに医師や薬剤師に伝える。
- 内視鏡や血液検査、おなかのエコーが要るかどうかは診察で相談し、検査が不安なことや日程の希望も前もって伝える。
食欲不振と体重減少は、どの程度で受診を考えればいい?
数字の目安になるまで待たず、ダイエットをしていないのに体重が減り、食欲がない状態が続くなら、医療機関へご相談ください。よく使われる目安と、その日のうちに連絡したい症状をまとめます。
「半年~1年で体重の5%」は、待つための基準ではない
体重の減り方について、「一定の期間に元の体重の何%が減ったか」という数字が目安として使われることがあります。体重がどのくらい減ったかは「減った体重÷元の体重×100」で計算できます。
ただし、この数字はそこまで減るまで様子を見るための基準ではありません。1~2カ月の短い期間で体重が落ちている場合や、夕食後の胃もたれ・食欲不振が続く場合は、目安に届かなくても早めに受診してください。
吐血・黒い便・水分が取れないときは、通常の受診を待たない
血を吐く、便が黒い、血が混じった便が出る、おなかが強く痛む、水分がとれない、ふらつくといったときは、予約の日を待たずにその日のうちに病院へ連絡するか、救急の相談窓口を使ってください。便に血が混じる、おなかが痛む、便のかたさや回数が変わるといったときは、次の検診を待たずに受診するサインです 1。
出血や貧血、便通の変化、体重減少といった症状は、大腸の病気を調べる手がかりとして研究でも重視されています 23。また、糖尿病の方が熱や下痢、吐き気、食欲がないなどで食事がとれない日は「シックデイ」と呼ばれます 4。この場合も、早めに主治医へ相談してください。
検査を受けるか迷っている段階でも、まず症状を相談する
当院では、「胸やけ」「腹痛」など少しでも気になる症状がある方はお早めにご相談いただきたいという姿勢で診療にあたっています。
「受診したらすぐ内視鏡検査になるのでは」と身構える方もいらっしゃいますが、苦手意識から相談自体を先延ばしにする必要はありません。まずは今の症状をお聞かせください。
受診前に何を記録し、変更した薬のことは誰に相談する?
体重、食べる量、便のようす、暮らしの負担、飲んでいる薬をかんたんにメモして持っていくと、診察で原因をしぼりこみやすくなります。食べる量が減ったせいなのか、病気で食べられないのかを、ご自分で見きわめる必要はありません。
体重・食事量・便の変化・生活の負担を日付つきで書き出す
診察では、いつからどのくらい体重が減ったのかを確認します。健診の記録なども活用し、以下の項目を日付とともに書き出してみてください。
- 体重の変化:いつごろ、何kgから何kgになったか
- 食事と症状:1日に食べる量、食べられない時間、胃もたれや胸やけがあるか
- 便の状態:便の色(黒っぽい、赤いなど)、回数、細い便が続いていないか
- 生活の状況:介護や仕事の忙しさ、ねむる時間の変わり方
体重が減る原因は、胃腸の病気だけではありません。糖尿病が関係していることもあり、必要に応じて血液検査などで確かめます 。
変更した薬は自分で止めず、処方元と受診先の両方に伝える
新しく始まった薬や変更された薬の時期と、食欲が落ちた時期が重なると、薬の影響が気になるものです。しかし、自己判断で服用を中止すると持病の悪化につながるおそれがあります。
薬は自分で止めず、お薬手帳を持参して受診先の医師にお伝えください。あわせて、その薬を処方した医師や調剤薬局の薬剤師にも相談しておくと、薬の調整や変更が必要かどうかを確認できます。
内視鏡が必要かどうかは、診察でどのように判断される?

内視鏡検査を受けるかどうかは、問診と診察の内容をもとに、胃や大腸だけでなく肝臓・胆嚢・膵臓も視野に入れて検討されます。初診ではまずお話をうかがい、どの検査が必要かを一緒に考えます。
胃や大腸だけに限定せず、必要な検査を考える
当院では、胃と大腸の内視鏡検査に加えて、おなかのエコー(超音波検査)にも対応しています。胸やけやおなかの痛みといった胃腸の症状だけでなく、肝臓・胆のう・すい臓の病気まで広くみています。食欲がない、体重が減るといった症状のうらには、胃腸のほかの臓器の不調がかくれていることもあるためです。
診察の所見に応じて、血液検査などを組み合わせることもあります 5。どの検査をどの順番で行うかは、症状やご希望をうかがいながら診察で相談して決めていきます。
内視鏡で分かることと、内視鏡だけでは分からないこと
胃の内視鏡検査は、カメラで胃の中を直接見て、がんなどがないかを調べる検査です 。大腸の内視鏡検査は、下剤で腸の中を空にしてからおしりからカメラを入れ、大腸全体にがんやポリープなどがないかを見ます 16。疑わしい部分があれば組織を採取して詳しく調べるため、胃がんなどの確定には病理検査の結果を待つ場合があります。
一方で、膵臓や肝臓など消化管の外にある臓器や、糖尿病といった全身の病気は内視鏡だけでは評価できません 。内視鏡で異常が見つからない場合も、他の検査や機能性ディスペプシア(粘膜に異常がないのに胃もたれなどが続く状態)の可能性を含めて相談を続けます。
胃内視鏡の方法は鼻腔の状態や希望も踏まえて相談する
当院では、胃と大腸の内視鏡検査を院長がおこないます。当院の胃の内視鏡は、鼻から細い管を入れる方法を基本にしています。細いカメラを使うため、検査を受ける方の苦しさをやわらげやすくなります 7。
ただし、当院では鼻腔が狭くて鼻から入らない場合や、患者さまのご希望に応じて経口内視鏡にも対応しています。反射が強いと感じている方は、事前にその旨をお伝えいただければ検査方法をご相談いただけます。
大腸内視鏡が怖い、予定を組みにくいときはどうすればいい?
大腸の内視鏡検査が必要と言われたときも、検査のあいだの不安や予定の組み方は、前もって相談できます。当院が取り組んでいる、体と気持ちの負担を軽くする工夫と、予定の立て方をお伝えします。
ポイント
当院の大腸内視鏡検査では、担当看護師2名の付き添いや専用時間枠の設定により、患者さまの「怖い・心配」という気持ちに配慮しています。
大腸内視鏡への「怖い・心配」に対応する付き添い体制
大腸の検査に対して、痛みや恥ずかしさから強い不安を抱く方は少なくありません。当院の大腸内視鏡検査では、2名の担当看護師が検査中も離れず付き添い、患者さまの「怖い・心配」といった不安感をケアいたします。
ただ言葉で励ますだけでなく、検査の間ずっと看護師がそばを離れない体制をとっています。緊張しやすい方も、遠慮なくお気持ちをスタッフへお伝えください。
大腸内視鏡は基本的に麻酔や鎮静剤を使わない方針
当院の大腸内視鏡検査は、検査時のリスクに配慮し、基本的には麻酔や鎮静剤を使わずに実施しています。薬剤に頼ることを前提とせず、苦痛の少ない大腸内視鏡検査を目指しています。
そのため、最初から鎮静剤を使う前提で予定を立てる必要はありません。当院では胃内視鏡と大腸内視鏡の同日検査は実施しておらず、それぞれの検査に合わせて無理のない計画をご案内しています。
検査が必要になったら、専用の時間枠と予定を確認する
当院では大腸内視鏡検査専用の時間枠を設けることで、プライバシーに配慮し、患者さまが快適に過ごせる環境づくりに取り組んでおります。お仕事やご家族の通院付き添いなどで忙しい方も、まずは外来診察でご相談のうえ、検査日程を調整していきます。
なお、保険で受ける内視鏡検査の費用は、胃と大腸のどちらを調べるかによって変わります。さらに、診察料や使う薬、組織をとって調べるかどうか、医療機関によっても変わります。
症状がなく人間ドックなどで受ける場合は、保険がきかない自費の検査になります。また、大腸の内視鏡検査では、ごくまれに出血や腸に穴があくといった合併症が起こることがあります 6。
初診当日の検査の可否や事前の下剤の準備、所要時間、詳細な費用については診察時に当院へご確認ください。東郷町の当院では外来診療を原則予約制としておりますが、予約なしでも受診は可能です。まずは症状と服薬の記録を持ってご相談ください。
よくある質問
Q. 大腸がんになると食欲はなくなりますか?
A. 初期の大腸がんでは自覚症状がないことも多いですが、進行して腸の通りが悪くなると、お腹の張りや便秘、食欲不振、体重減少などが現れることがあります 12。血便や便が細くなる変化を伴うこともあるため、症状が続く場合は早めに医療機関へご相談ください 13。
Q. 胃内視鏡検査は何歳から受けられますか?
A. 国のすすめる胃がん検診では、胃の内視鏡検査は50歳以上の方が対象です8 。ただし、胃もたれや体重が減るなどの症状があり、医師が必要と考えたときは、年齢にかかわらず検査を考えます。
Q. 大腸内視鏡検査の前日の食事や下剤はどう進めますか?
A. 腸の中をきれいに見るため、前の日は消化のよい食事をとり、下剤を飲む準備が必要です。一般的には、海藻やきのこ、種のある果物など消化しにくいものは避けます。下剤の飲み方や前の日の食事、おなかの痛みが心配なときの対応は、一般的には検査の予約のときに説明があります。
参考文献
1. 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」 https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/colon.html
2. Frazzoni L, Laterza L, La Marca M et al. Clinical value of alarm features for colorectal cancer: a meta-analysis. Endoscopy. 2023. PMID: 36241197 / DOI: 10.1055/a-1961-4266
3. Olde Bekkink M, McCowan C, Falk GA et al. Diagnostic accuracy systematic review of rectal bleeding in combination with other symptoms, signs and tests in relation to colorectal cancer. British journal of cancer. 2010. PMID: 19935790 / DOI: 10.1038/sj.bjc.6605426
4. 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「シックデイ」 https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/060/06.html
5. 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「糖尿病と関連する検査」 https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/030/010/02.html
6. 3.2)大腸内視鏡検査と治療 | 日本消化器内視鏡学会. https://www.jges.net/citizen/check-cure/no3-2
7. 胃がん検診|香川大学医学部附属病院 がん検診・診断部門. https://www.med.kagawa-u.ac.jp/~gankenshin/recommend/01/
8. がん検診や就労支援に関するQ&A|がん対策推進企業アクション. https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/report/info_191111.html
愛知医科大学卒業
愛知医大第一内科
袋井市立袋井市民病院
聖霊病院
内科・消化器内科
聖霊病院 医務局長
三九朗病院 内科・消化器内科
2016年
わごうヶ丘クリニック 院長
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本人間ドック学会・認定医
日本医師会・認定健康スポーツ医
日本医師会・認定産業医
日本スポーツ協会・スポーツドクター
NPO法人日医ジョガーズ連盟(ランニングドクター)
点滴療法研究会
