大腸ポリープは、初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、進行すると様々な不快な症状が現れることがあります。⼤腸ポリープの中には大腸がんになってしてしまうものもあるため、早期発見が重要です。
この記事では、大腸ポリープで起こる可能性のある症状を詳しく解説し、ご自身でチェックできる方法もご紹介します。早期発見と定期健診の重要性を知り、大腸の健康を守りましょう。
■大腸ポリープで起こる症状
大腸ポリープは、大腸の内側にできる小さな出来物のことです。初めのうちは、自覚症状はほとんどありません。しかし、ポリープが大きくなったり、肛門の近くにできたりすると、次のような症状が出ることがあります。
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血便
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粘液便
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腹部膨満感
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腹痛
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下痢
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便秘
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腸閉塞
大腸ポリープが出来た場合、便に血液が混じることがあります。これはポリープが便と擦れることで出血するためです。また、ポリープが大腸の出口をふさいでしまうこともあり、強い腹痛や便がまったく出なくなることがあります。
◎血便
血便というのは便に血が混じっている状態です。目に見える血が便に混じっている場合もあれば、便潜血という検査でしかわからないものもあります。トイレットペーパーに血がつく、便が黒っぽくなる、あるいは粘液や血だけが出ることもあります。
血便は、食道、胃、腸、さらには肛門までのどこかで出血が起こっているサインです。出血の場所によって、便の色や形が変わることがあります。たとえば、上部消化管の出血は黒い便、中部や下部の出血は鮮やかな赤色の便として現れることが一般的です。
◎粘液便
粘液便とは、便に粘液が多く付着している便のことです。粘液は腸から出るもので、通常は便にも少し含まれています。ただし、目で見て便がベタベタしている場合は、何かしらの原因で粘液が増えているのかもしれません。
たとえば、大腸がダメージを受けると、体はそれを守ろうとして多くの粘液を分泌します。粘液だけではなく、血液が混じっていることもあり得るので注意しましょう。見た目には健康そうな便でも、実際は血液が混じっていることがあります。
◎腹部膨満感
腹部膨満感とは、食べ過ぎやガスがたまったりすることで、お腹が膨らんだり重く感じたりすることです。一般的には2つのタイプがあります。お腹が苦しくなったりゴロゴロしたりする場合は、ガスが原因です。もう一つは、胃が重苦しく感じたり、胃に不快感がある場合で、これは胃の働きが低下している時に起こります。他にも、妊娠や体内に液体がたまる病気などが原因でお腹が膨らむことがあります。
◎腸閉塞
腸閉塞は、食べ物や飲み物が胃腸を通りにくくなった状態です。通常、飲食物は食道、胃、そして腸を通って消化され、栄養が吸収されますが、腸閉塞になると、この流れが小腸や大腸で止まってしまいます。腸閉塞では、嘔吐や吐き気、腹の張り、強弱が繰り返される腹痛、便秘、ガスが出ないなどの症状が現れます。
■もしかしたら大腸ポリープ?セルフチェックリスト
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便に血が混じる
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お腹が張る感じがする
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腹部に痛みを感じることがある
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便秘や下痢をくりかえす
これらの症状が繰り返しみられる場合は、医師に相談してください。特に血便や腹痛が続く場合は、他の病気の可能性も考えられます。
■まとめ
大腸ポリープは小さいときには自覚症状がほとんどありません。ただし、年齢を重ねるとそのリスクが増えます。
便に血や粘液が混じったり、腹痛、下痢や便秘をくりかえす場合には何か異常があるサインの可能性があります。自己判断せずに、ご相談ください。
大腸内視鏡検査でポリープが見つかっても、多くの場合、その場で取り除くことができます。ほとんどの大腸がんはポリープから発生するため、たとえ症状が無くても定期的な検査が重要です。