
健康診断で血圧や血糖値、コレステロールの異常を指摘されたことはありませんか?
生活習慣病の予防と聞くと、食事や運動を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、喫煙も血管や代謝に悪影響を及ぼし、病気の進行や合併症リスクに関係するのです。
この記事では、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病と喫煙の関係についてわかりやすく解説します。
目次
■タバコと生活習慣病、「血管」でつながっています
「血圧が高い」「血糖値が気になる」といった指摘とタバコの習慣は、一見別々の問題に思えます。しかし、これらは体の中で密接に絡み合い、お互いに悪影響を与え合っています。カギを握るのは「血管」です。
◎気づかないうちに進行する「動脈硬化」
高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病は、それ自体が痛みなどの自覚症状を引き起こすことは少ない病気です。しかし、治療せずに放っておくと、血管が硬く、もろくなる「動脈硬化」を静かに進行させます。
毎日の「喫煙」もまた、血管をダイレクトに傷つけ、動脈硬化を進めてしまう大きな危険因子(リスク)の一つなのです。
◎危険因子が重なることで一気に高まるリスク
高血圧、糖尿病、脂質異常症は単独でも動脈硬化を進めますが、そこに喫煙が加わることで、血管への負担はさらに大きくなります。
それぞれの危険因子が重なると、たとえ一つひとつの数値の異常が軽くても、将来的に心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気を引き起こすリスクが高くなってしまうのです。
■数値の悪化はタバコが原因?3つの病気への影響
具体的にタバコの煙は血圧や血糖値、コレステロールにどう影響するのでしょうか。「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」の3つと喫煙の関係を紐解いていきましょう。
◎血管が悲鳴を上げる「高血圧」との関係
タバコを吸うとニコチンなどの影響で交感神経が刺激され、全身の血管が縮みます。ホースの先をつまむと水圧が上がりますよね。
血管が細くなることで血圧は急上昇しやすくなります。高血圧の方がタバコを吸うと、すでに負担がかかっている血管や心臓をさらに痛めつけることになるのです。
◎ホルモンの働きを邪魔する「糖尿病」への悪影響
タバコは交感神経を刺激して血糖を上げたり、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の働きを邪魔したりするため、吸う人は糖尿病になりやすいことがわかっています。
すでに糖尿病の方が喫煙を続けると、血糖管理が難しくなるだけでなく、心筋梗塞や腎症などの合併症リスクも高まります。
◎血液のドロドロを加速させる「脂質異常症」
脂質異常症は、血液中の悪玉コレステロールなどが多すぎる状態です。タバコは血管の掃除役である「善玉コレステロール」を減らし、血管を傷つけます。
そこにコレステロールが入り込むと、あっという間に血管が詰まりやすい状態になります。脂質異常症の方にとって、禁煙は動脈硬化を防ぐ重要な一歩です。
■「軽いタバコ」や「電子タバコ」なら安全なの?
「いきなりやめるのは難しいから、まずは本数を減らそう」「加熱式タバコや電子タバコに変えれば害はないだろう」と考える方は非常に多いかもしれません。しかし、本当に体への負担は減るのでしょうか。
◎本数を減らすだけでは負担は減らない
「1日20本から5本に減らしたから大丈夫」と思いがちですが、本数を減らしたり、軽いタバコに変えたりしても、心臓や血管の病気リスクを十分に下げられるとは限りません。
ダメージをなくすためには、完全にタバコを断つ「禁煙」が必要です。
◎加熱式タバコでも糖尿病リスクが下がらない可能性も
加熱式タバコや電子タバコは、紙巻きタバコより害が少ないイメージを持たれがちです。しかし、ニコチンや有害物質への曝露がなくなるわけではなく、“安全なタバコ”とは言い切れません。
日本の公的機関(国立健康危機管理研究機構)が2万9000人の日本人を対象に行った大規模な調査でも、加熱式たばこ使用者は非喫煙者に比べて糖尿病発症リスクが1.6倍高く、紙巻きたばこ使用者と比べてもリスク低下は認められなかったとされています。
※加熱式たばこ使用と2型糖尿病の発症リスク
― 勤労者におけるコホート研究 ―|臨床研究センター
■数値が気になったら、無理のない範囲から一緒に考えましょう
生活習慣病の治療の基本は、いまの体の状態を正しく知り、ご自身のペースで生活を見直していくことです。
「タバコが良くないのは分かっているけれど、いきなりやめるのは難しい…」と悩む方も多いと思います。
まずは高血圧や糖尿病、コレステロールなどの数値をしっかり確認します。お薬のサポートや食事・運動の工夫、そしてタバコとの付き合い方も含めて、あなたに合った改善策を一緒に探していきましょう。
将来の大きな病気を防ぐために、まずは当院で、いま気になっていることや健康状態について、率直にお話ししてみませんか?
